この情報は東京在住の方からのものです。
その方にはこの掲載の許可を得ております。
2008年3月
東京大田区にある動物愛護相談センター城南島出張所に行って来た。


先月、世田谷にある本所に見学に行って来た。
ただし、本所は最終処分を行うところではない。
城南島が世田谷(23区エリア担当)・多摩(それ以外の市町村エリア担当)から、送られてくる
「処分対象」の犬猫の殺処分を実行するところなので、そこでも話を聴いてみたいと思っていた。

本所は月に1回見学会を開催して、その時にまとめて見学者を 受け入れている。
前回参加した時は私を含めて計4名が参加していた。

今回も同じように考えていたため、早めに予約しようと思い、 先週TELしたところ、
いつでも見学可能との返事をいただいたため、 急遽、予定を入れた次第だ。
(職員さんの空いている日に限る)

JR大森駅から、バスで20分のところにあるのだが、 1時間に1本のバスを乗り過ごしたので、
タクシーで行くはめになった。
倉庫や工場が立ち並ぶ埋立地の奥地のほうにセンターは あった。

(エントランスを外部から見る)

建物の周囲に犬たちを遊ばせるふれあい広場があり、犬たち7〜8匹が職員さんとともに過ごしている。
老夫婦がふれあいを楽しんでいた。


(ふれあい広場)

中に入って、1階のロビーを約束の時間までしばらく観察。
猫が計4匹飼われている大き目のケージや、新しい飼い主さんが
見つかった様子の写真などが展示されている。


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時間になったため、事務室に見学の予約をしていた旨を伝える。
一人の職員の方とともに相談室に移動して、話を伺うことになった。

まず、関東地方での迷子犬の話が知人の日記に掲載されていた為、その確認。
→東京の動物愛護センターでは、保護されてないとのこと。
 今後のこともあるので、週に1回多摩と本所の両方に問い合わせをすると、もれがなくなるとのこと。
 (横の連携があまり強くないので双方に確認するのがベター)

そして、動物愛護相談センターおよび城南島出張所についてのレクチャーを受ける。

城南島出張所には、怪我をした犬猫と引き取り手のない(殺処分対象)の犬猫が都内の2つのセンター(世田谷・多摩)から送られてくる。
怪我をしたものは治療にまわされ、殺処分対象の犬猫は、そのなかからさらに「譲渡可能な」犬猫と
「(小学校やお祭りなどでの)動物愛護精神の普及啓発活動の際に、一緒に連れて行く」犬猫を選別し、
それ以外は殺処分される。

その成り立ちとしては、
昭和25年制定した「狂犬病予防法」を受けて、
@犬の登録 A予防注射 B未登録・未注射の犬の捕獲
が義務付けられた。
@犬の登録 A予防注射 は保健所で行うが、
B未登録・未注射の犬の保護 を行う施設として「犬管理所」ができた。
昭和49年の「東京都動物の愛護及び管理に関する条例」の制定を受けて、機能を拡大する必要ができたため、
昭和55年「犬管理所」 → 「動物愛護相談センター」にと変わった。
東京都には、本所(世田谷区:23区エリア担当)と、多摩センター(それ以外の市町村エリア担当)があるが、
城南島は昭和58年設立された。
城南島出張所はその中で、
 @動物愛護精神の普及啓発
 A飼い主のわからない負傷動物の治療
 B人と動物との共通感染症の調査
 C殺処分・焼却処理
 D犬・猫の譲渡(主には本所と多摩のセンターで行っている)
 を行う役目を担っている。

動物愛護精神の普及啓発活動としては、主に小学校2年生を対象に動物教室を行っている。
(命の大切さを教えるには一番適した学年だそうだ。)
その際に動物を連れて行って、触れさせて、動物の習性を教えるのだそうだ。
また、動物愛護のイベントへの参加や、動物のしつけ教室、動物相談などを行っている。

また、ここには、治療室や研究室が完備されているので、
治療及びエキノコックスなどの感染症の研究はまとめてここで行われている。

そして、最終的な「殺処分」はここで行われている。



おおまかな説明を聞いた後、幾つかの質問をさせていただいた。
内容は
コチラをクリック!


あらかた、話を聞き終えて、所内を案内していただく。

猫の譲渡相談室、病理検査室(感染症の菌の検査・研究を行うところ)、
手術室、レントゲン室、犬の譲渡講習室などを見たあと、渡り廊下をはさんで別棟に渡る。
 
(手術室))

現在、新しい検査室を作るために、改修工事中であった。
1年後に完了するそうだ。

(研究室)

ここには、処分機と焼却炉があるのだが、ここは見せていただけなかった。



譲渡用の子犬室と負傷した動物たちの部屋と普及啓発用の犬室、猫室などを見て廻る。
ここにいる子達は、殺処分から逃れている子達なので、元気もあり、性格的にもよさそうだ。
全部で子犬12〜13匹、猫2〜3匹いたであろうか。
怪我をして治療中の猫もいた。

普及啓発用の子犬は、しばらく働いてもらったあと、年をとる前に新しい飼い主を探して譲渡するのだそうだ。
各職員担当している犬がいるらしく、それぞれ世話をしているそうだ。

(啓発活動用の犬。この犬が殺処分される事はない。)

また、犬は散歩には連れて行かれるそうだ。
本所では、散歩は逃げられたら困るので、やっていないとのことだったが、こちらはそんなことはないようだ。
(引き取られて1週間経ったら都の所有となるため、いなくなってしまった場合の責任を
 飼い主からとられる心配がないのも大きな理由の一つだろう。)

建物内部をひととおり案内していただいた後、外に出た。

まず、大型犬を飼うためのゲージを見る。
5つに仕切られた檻の中に2頭が飼われていた。

(大型犬用檻。新たな飼い主が決まるのを待っている。)

一つの檻は十分な大きさと言えると思う。
ついこないだまでは、4頭いたそうだが、2頭は新しい飼い主が決まったそうだ。

(大型犬は外部で飼う)

どの子が選ばれるかと言うのは本当にわからないそうで、
新しい飼い主が現れるのに時間がかかりそうだなと思っていた子が真っ先に引き取られたり、
性格的にやさしい子が残ったりと、本当に読めないと言われていた。


(殺処分及び焼却する所。内部撮影はできない)

そして、最後に入り口そばにあるふれあい広場を見る。
ここは、最初に着いたときに見た場所。
もう、その時遊んでいたワンちゃんたちはいない。
部屋に戻されたようだ。




これにて、見学は終わり。
最後に部屋に戻り、名前や住所等を書かされて終了。
1時間に1本のバスに乗るために、お礼の挨拶もそこそこにして別れた。


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前回見学していたため、今回はすっきりと頭に入った。
また、前回取材したことは、そんなに間違いがないこともわかった。
また、前回同様、動物愛護相談センターの職員の方の
なるべくなら殺したくないという気持ちも十分に伝わってきた。

ただし、ショックだったのは、自分で行きつけの動物医にペットを
「殺してくれ」と持ち込んでいる人がいるということだった。
もしかしたら、かなりの数いるのかもしれない。
断られて、しかたなくセンターの方に連れてくるらしい。
あるいは、野山に捨ててきてしまうのではないだろうか。

自分は動物愛護家ではない。もちろん、うちの2匹の
ミニチュアダックスは本当に可愛いと思っている。
だからといって全部の動物を救いたいなんて決して思ってはいない。

ただし、人間の成長を考えた上で、「簡単に命を取り扱うこと」
「安易な殺処分」「食うため以外の不必要な殺し」は たとえ対象が人間でないとしても、
やるべきでないと考えている。
今の、「いじめ」問題や「自殺」、頻発する「不祥事」なんかも、
「命を簡単に取り扱うこと」と密接に関係しているような気がしてならない。
よって、人間社会をよくするきっかけの一つとして、ペットとの関係の良好化があげられると思っている。

年間に相当数の犬猫が処分されていることをきちんと知った上で 動物を飼って欲しいと思うし、
飼うと決めたら、最後まで看取る覚悟は決めて欲しい。
一時期の感情に流されないで・・・。
それが、人として成長する大きな糧となると思います。

でも、ある程度は法制化でリードしてやらないと、
殺処分ゼロへの道は厳しいかもね。
「何が当たり前」で「何が当たり前じゃない」のか、
感覚的なことから教育しなおしたほうがいいんじゃないかとさえ思う。
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