「記憶の遺産」


世界遺産は、
「地球の生成と人類の歴史によって、生み出され、そこから引き継がれた貴重な宝物」と言われています。
国際条約があって、世界中の顕著で普遍的な価値のある文化遺産と自然遺産を人類共通の宝物として守り
次世代に伝えていく大切さを唱えています。
  (日本ユネスコ協会連盟HPより抜粋)


皆さんは、世界遺産と聞けば、美しい自然の中の景色や歴史的建造物などが頭によぎりますが、
その中に「記憶の遺産」として受け継がれている世界遺産があります。
それは、ポーランド南部の小さな町にある「アウシュヴィッツービルケナウ ナチスドイツ強制絶滅収容所」と
日本広島にある「原爆ドーム」です。
20世紀の戦争時代の「負の遺産」とも言われています。

アウシュヴィッツでは、
1940−45年の間、ユダヤ人、ポーランド人ロシア人の政治犯を含め、
少なくとも110万ー150万人の人々がガスによる大量虐殺の犠牲者になりました。

広島長崎の原爆では、
一瞬のうちに数十万の人々が、犠牲になり、今もなおその後遺症で苦しんでいる人々が絶えません。


この番組を見終わった時に、私は人間の歴史的な悲劇に対して、
二度と繰り返してはいけないという警鐘を鳴らし続けなければいけないと思いました。

そして心に残った言葉が、これらが別名「記憶の遺産」とよばれていることでした。

私たちが持ちうる記憶は、楽しい記憶、うれしい記憶、幸せな記憶、つらい記憶、苦しい記憶・・・などがあります。
記憶のメカニズムが、脳の中でどのような働きをするのかはわかりませんし、人間だけの感覚なのかもわかりません。
でも犬猫にだって「記憶」はあると思います。

彼らにも楽しい記憶、うれしい記憶、幸せな記憶、つらい記憶、苦しい記憶等があるかもしれません。

ただそれを伝える言葉がないだけで、私たちとその「記憶」を共有できないのかもしれません。
でも彼らは彼らなりの合図(シグナル)で飼い主に伝えていると思います。
そして、その「シグナル」を通して、飼い主に「記憶」としてとどめてほしいと願っていると思います。

彼らと、楽しく生活していく上で、私たちはそのシグナルを読み取る努力が必要かもしれません。
その努力なしで、彼らがいうことをきかないとして、体罰や虐待を強いてしまうのは「負の連鎖」にほかなりません。

「負の遺産」
「記憶の遺産」
と称して残された戒めの「遺産」の繰り返しがないように、
私たちも犬との生活を「楽しい記憶」として残していく責任があるように思いました。

あなたは、彼らに「楽しい記憶」を引き出すべく、シグナルを読み取る努力をしていますか?

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